• pure soul Anthology
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鋭利なサウンド、際立ったポップネス、独創的なアイデア。
GLAYの黄金比が実現した1998年の名盤「pure soul」のアンソロジー盤が登場!

◆2018.7.31 Release!!
◆¥8,281(本体)+税
◆LSGC-0004 /PCCN-90005

ABOUTアイテム概要

ライブでも定番の代表ロックナンバー「誘惑」、「SOUL LOVE」を始め、自身最大のヒット曲「HOWEVER」など、 まさにGLAYの代名詞となる楽曲達のリミックス&リマスタリング音源を収録。 さらに収録楽曲のデモ音源も収録され、あの名曲達の雛形がこのアンソロジー盤で聴くことができる。
DISC3に収録される映像には「pure soul in STADIUM "SUMMER of '98" 阪急西宮スタジアム」(1998年8月30日)公演を全曲収録!
さらには当時のドキュメント映像を収録と豪華内容。
ブックレットは『pure soul』リリース当時の撮り下ろし写真や雑誌&新聞掲載記事まで厳選して掲載。
インタビュー記事やpure soulに纏わる当時の貴重な素材をふんだんに掲載予定!
20年ぶりに『pure soul』がアンソロジー盤として蘇る。

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OFFICIAL REVIEW

1998年7月に発表された4thアルバム「pure soul」。音楽的な充実とポピュラリティの高さを両立させたこの作品が2018年7月31日、アンソロジー盤としてリリースされる。2011年から過去の作品のアンソロジー盤をリリースしているGLAY。「GLAY Anthology」(2011年)、「灰とダイヤモンド Anthology」(2014年)「SPEED POP Anthology」「BEAT out!Anthology」(2016年)「BELOVED Anthology」(2017年)に続く通算6作目のアンソロジー盤が本作「pure soul Anthology」だ。

アルバム「pure soul」の制作は、初のベストアルバム「REVIEW-BEST OF GLAY」(1997年)のリリースを挟んで行われた。初めてオリコン1位を獲得した「口唇」、ミリオンセールスを記録した「HOWEVER」などを収録した「REVIEW」は発売初週にダブルミリオンを達成。累計500万枚以上を売り上げる記録的なヒットとなった。この時点でGLAYは、日本の音楽史上もっとも成功したロックバンドの一つになったと言っていい。

 この成功がメンバーにとって大きなプレッシャーになったことは想像に難くない。この時点で4人の年齢はまだ20代半ば。成功を手にしたからこそ、ベストアルバムを聴いたリスナーをさらに驚かせ、惹きつける傑作を作らなくては、この先はない??アルバム「pure soul」にはそんな“使命”が課せられていたと言っても過言ではないだろう。果たして彼らは、その使命を完璧に達成してみせた。当時の4人のモチベーションの高さ、そして、それぞれの音楽的な志向がより強く反映されたアルバム「pure soul」は、ファンの間でも最高傑作の一つとして認知される、キャリアを代表するアルバムとして結実したのだ。

シングル「SOUL LOVE」「誘惑」を収録し、オリジナルアルバムとしては最高となる200万枚を超えるセールスを記録した本作。ライブを想起させる生々しいバンド感と音楽的なトライアルが共存したこのアルバムは、全曲がクライマックスと言ってもいいほどの濃密な作品に仕上がっている。20年経ってもまったく色褪せることにないアルバム「pure soul」から、いくつかの楽曲をピックアップして紹介したい。

まずはオープニングナンバーの「YOU MAY DREAM」。エッジの効きまくったギターリフ、アグレッシブなビートを軸にしたアッパーチューンからは、この頃のGLAYの熱量の高さがリアルに伝わってくる。サビに入った瞬間、一気に解放されるメロディラインも印象的。アリーナからスタジアムへと移行しつつあったライブの規模にアジャストした楽曲とも言えるだろう。

JIROの作曲による「ビリビリクラッシュメン」はパンク、スカのスピード感、ラウドロック的音像を交えたハイブリッドな楽曲。エレクトロ的なサイバー感もあり、90年代後半に巻き起こったデジタルとロックの融合、ミクスチャーロックなどにも呼応している。常に新しい要素を取り入れながら進化してきたGLAYのスタンスを端的に示すナンバーだ。

 アルバムのタイトルチューン「pure soul」も本作の充実ぶりを象徴する楽曲のひとつ。この曲の主人公は、夢を追いかけて街を飛び出し、さまざまな出来事を経験した末に”何不自由ない暮らし“を手に入れた男。しかし彼はどこか物足りなさを感じている。少年時代の思い出を振り返る余裕もなく、”人生の岐路に佇む”。??そんな心境を描いたこの曲は、どうしても当時のGLAYの状況と重なって聴こえる。この楽曲に「pure soul」というタイトルを付けたTAKURO、そして、一つ一つのフレーズに生々しい思いを込めながら歌うTERU。まさに“純粋な魂”を注ぎながらこのアルバムの制作に臨んだメンバーの意志が伝わる、普遍的なパワーを備えた名曲だと思う。

 プロデューサーの故・佐久間正英氏がギタリストとして参加した「COME ON!!」は、アルバムのなかでもっともライブ感に溢れたナンバーだ。圧倒的なスピード感をたたえたビート、シャープな切れ味を感じさせるギターなど、スタジオの雰囲気がダイレクトに伝わる音像も印象的。バンドで音を鳴らすことを心から楽しんでいる様子が感じられるのも、この曲の魅力だろう。

 さらにSUGIZO(LUNA SEA)がギタリストとして参加し、ノイズ、不協和音などエクスペリメントな要素をたっぷり込めたロックナンバー「FRIEDCHICKEN&BEER」。サイケデリックかつダークなアンサンブルのなかで“春の匂いのその場所で今愛について想う”というフレーズが響き渡る「3年後」、そして、ストリングス、ホーン、ピアノを取り入れた後期ビートルズを想起させるようなアレンジ、温かい手触りと大らかな広がりを共存させたメロディライン、母親への思いを綴った歌詞がひとつになった「I‘m in Love」など、個性的な楽曲が揃った本作。収録曲の多くはベスト盤「REVIEW」の前後に制作された楽曲ということだが、バンドのイメージを引き受けながら、メンバーの奔放なクリエイティビティを発揮しまくる当時のGLAYの好調ぶりには本当に驚かされる。今回のアンソロジー盤は、全曲をリミックス&リマスタリングで収録。タイムレスな輝きを放つ楽曲をアップデートされたサウンドで聴くことができるのも、本作の魅力だ。

 また、オリジナルアルバム未収録のシングル「HOWEVER」のほか、「I’m yours」(シングル「HOWEVER」C/W)、「Little Lovebirds」(シングル「誘惑」C/W)、「アイ」(シングル「SOUL LOVE」C/w)も収録。アルバム「pure soul」前後の楽曲がまとめて聴ける内容になっている。(個人的にはHISASHIの作詞作曲による「アイ」に再びスポットが当たることも非常に嬉しい。ブッ飛んだポップセンスが炸裂する、神曲と呼ぶにふさわしいロックチューンです)

DISC2には全楽曲のデモ音源が収録されている。「SOUL LOVE」「誘惑」をはじめとする名曲の原型バージョンを聴いていると、アルバム「pure soul」のサウンドプロダクションの秘密を垣間見ているような気持ちになる。ある曲は“でたらめ英語”で歌われていたり、ある曲は微妙にアレンジやテンポが違っていたり、ある曲には「いいですか?」とメンバーに合図を送るTERUの声が入っていたり(この曲の最後には笑い声も入っています)。リリースから20年、ついに公にされた“名盤アルバムの雛型”を楽しんでほしい。

DISC3(Blu-ray)には1998年8月30日に行われた「pure soul in STADIUM "SUMMER of '98" 阪急西宮スタジアム」を全曲収録。真駒内オープンスタジアム、マリメッセ福岡、西武球場などで開催されたこのツアーでは、リリースされたばかりの「pure soul」の楽曲をたっぷり披露。アルバムの楽曲がステージのなかでどう進化したのかを確かめられる、きわめて貴重なライブ映像となっている。

さらにブックレットには「pure soul」リリース当時の撮り下ろし写真や雑誌。新聞掲載記事を厳選して掲載。アルバム「pure soul」を中心とした“1998年のGLAY”を堪能できる「pure soul Anthology」。当時を知っているファンはもちろん、20代以下の若いリスナーにもぜひ手に取ってほしいと思う。この作品には日本のロック史上もっとも輝かしいシーンの一つが刻み込まれているのだから。

OFFICIAL REVIEW 2

『pure soul Anthology』を買うべき、いくつかの理由

8月25日・26日、地元である函館・緑の島にて5万人動員の野外ライブ『GLAY × HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT vol.3』を開催するGLAYが、『pure soul Anthology』を7月31日にリリースする。これは1998年に発表されたGLAYの4枚目のオリジナルアルバム『pure soul』の文字通りのアンソロジー盤であり、2011年の『GLAY Anthology』から続く“アンソロジー”シリーズの第6弾。内容は、アルバム『pure soul』収録曲11曲+「HOWEVER」他4曲のリミックス&リマスタリング音源を収録したDISC1、収録楽曲のデモ音源を収録したDISC2、そしてBlu-rayに1998年8月30日に行なわれた『pure soul in STADIUM "SUMMER of '98" 阪急西宮スタジアム』公演の全曲収録+当時のドキュメント映像を収録したDISC3という3枚組に、リリース当時の撮り下ろし写真や雑誌&新聞掲載記事を掲載したブックレット付きという豪華仕様である。

GLAYがどういったバンドであるか。『pure soul Anthology』は今それを改めて知ることができる音源と言えるだろう。まず、DISC1がいい。原盤からのリミックス&リマスタリングが完璧に功を奏して、GLAYがツインギターのロックバンドであることが活き活きと伝わる音像に仕上がっている。M1「YOU MAY DREAM」からして音の良さがはっきりと分かる。とても小気味いい聴き応えと言ったらいいだろうか。各パートのアンサンブルが際立っていて、とりわけ2本のギターの絡みが最高だ。M6「pure soul」、M7「誘惑」、M12「HOWEVER」辺りもいいが、白眉はM4「SOUL LOVE」だと思う。楽曲全体に横たわる独特のポップさをギターが支えていることがよく分かり、それがバンドサウンド全体の躍動感を増しているかのようでもある。今ライブで披露されているGLAYのサウンドは20年前に比べてよりシャープに、より厚みを増しているのは間違いなく、新たにミックスとマスタリングを施すのは、20年間ライブ活動を続けてきたからこその必然とも言える。『pure soul』自体は旧作であるものの、DISC1での音圧とバランスとは2018年のGLAYである。しかも、オリジナルアルバムには収録されていなかった「HOWEVER」と、シングルのカップリング曲も収められているのだから、これはもうほぼ準新作と言っていい。ここ数年のGLAYのライブを見ている人には納得の音像だろうし、1998年前後にはGLAYをよく聴いていたけれども最近はご無沙汰で…という人には新鮮であろう。いや、もしかすると、ご無沙汰組の皆さんにとって、その瑞々しいサウンドと躍動感はむしろ20年前を思い起こさせるものかもしれない。それだけでも、『pure soul Anthology』は新旧ファンいずれにも必携のフィジカルと言える。

これは今回の『pure soul Anthology』に限ったことではないが、この“アンソロジー”シリーズの素晴らしさのひとつは、デモ音源の収録にあると個人的には思っている。我々は正規盤に収録された完成版の楽曲を聴くし、アーティスト側もそれを基本にライブをするのだろうから、完成版の楽曲は元々そういうものだと思い込んでしまっているような節があるが、当たり前だが、完成版は最初から完成版だったわけではない。即興演奏をそのままレコーディングしたのでなければ必ず録音前のひな型があるし、ひな型があるからと言ってそれがそのまま完成版に至るわけでもなく、スタジオでアイディアを出し合う内に楽曲の形が変わっていくことも多々あるという。インタビューでそういう話を見聞くことはよくあるのだが、実際、何がどうなったのかを聴ける機会は意外と多くはない。なくはないが、バンドの解散後であったり、アーティストの没後であったりすることがほとんどだと思う。その点、こうしてGLAYがデモ音源を公表するのは音楽シーン全体を見渡しても貴重な機会であろうし、ストレートに彼らの楽曲へのこだわり、愛情の深さを汲み取れるところである。やはり今回も、デモ音源が収録されたDISC2とDISC1との聴き比べが圧倒的に楽しい。リスナーそれぞれに、変化している点、していない点を確かめてほしいので、事前のネタバレは避けたいところではあるが、以下、少しだけ記すと──。

M11「I'm in Love」は後半の合唱も含めてさまざまな音を重ねていったことがよく分かるし、M1「YOU MAY DREAM」は正規版に至るまでの苦心のあとさえ想像できる。その一方で、アレンジがほとんど変わっていないと言えるM4「SOUL LOVE」やM8「COME ON!!」があったり、完成版の雰囲気はデモの録音状態に由来していたのではないかと思わせるM10「3年後」があったりと、それぞれの楽曲にドラマがあったことが分かる。歌詞の変化も聴き逃せない。中でも注目はTERUが英語詞で歌っているいくつかのナンバーで、この辺りではメロディーセンスの確かさを改めて知ることができると思うし、個人的には既存曲の英語詞版で世界戦略を考えてもいいのでは、と思ったりしたほどである。もちろんデモ段階から歌詞が変わっていないフレーズも多々あり、それはコンポーザーのTAKUROが最も大切にした部分であり、ひいてはGLAYというバンドが本当に伝えたい部分、その核心であったのではないかと想像できる。また、DISC2にはまさに20年の時を経て初めて音源化された未発表曲「PEACE OF MIND」も収録。全国ツアー『BEAT out! '96』/『BEAT out! reprise』でのライブ録音のようだが、ライブで披露されたナンバーがどうしてアルバム『pure soul』未収録となったのか、そんなことに思いを巡らせるのもおもしろいのではないかと思う。

そして、これもまた“アンソロジー”シリーズの優れている点なのだが、DISC3に収録された映像がすごい。阪急西宮スタジアム公演2時間超、ドキュメント1時間弱の併せて3時間強。出し惜しみしないにもほどがあるぞといった感じだが、収録時間以上にその中身も充実している。『pure soul in STADIUM "SUMMER of '98"』は1998年12月にビデオ作品として発売されているものの、この時はポートメッセなごや、阪急西宮スタジアム2公演の“ニコイチ”だったうえ、演奏された楽曲をすべて収めていたわけではなかったのだが、今回は以前、省かれた楽曲をまさに余すところなく収録。具体的に言うと、「原色の空」「Little Lovebirds」「COME ON!!」「SHUTTER SPEEDSのテーマ」「彼女の"Modern…"」「グロリアス」のライブ映像が初披露され、ライブの流れを把握できるようになっている。アルバム『pure soul』の所謂レコ発ツアーであるので当然その収録曲中心のライブではあったのだが、2ndアルバム『BEAT out!』、3rd『BELOVED』、さらには当時のアルバム売上日本記録を樹立したベスト盤『REVIEW-BEST OF GLAY』を経て、GLAYのライブの“型”といったものを創ろうとしていた時期だったと想像できて、なかなか興味深い。演奏、ステージ演出もさることながら、個人的に注目したのはTERUのMCだ。今となってはリラックスした様子でとてもフレンドリーに会場に話しかけるTERUだが、さすがにこの時期は口調も堅い。正直言って、観客と上手く交歓できてないようなところもあるし、それに対して若干イラっとした表情を見せるところもある。若気の至りと言ってしまえばそこまでだが、そうしたシーンも包み隠さず披露する点にはむしろ好感が持てるし、生々しい1998年夏のGLAYの記録だと思う。

ドキュメンタリー映像はさらに内容が赤裸々だ。まず、いきなり現れる伝説のバンド、NEVER MINDの姿にはコアなファンは歓喜必至だろう。トニーの悪乗りもまた若気の至りとも言えるが、最近で言えば「彼女はゾンビ」や「シン・ゾンビ」に至る独特の感性の発露、そのビギニングだったのかもしれない(あ、それはトニーがHISASHIと同一人物だったとした場合だが…)。スタッフに大量のビールをかけられて、ライブハウスでもろ肌脱いで歌うTERUもレア映像だろうし、それ以外にも、各会場で客席に降りたり、アリーナを走り回ったり、ダイブしたりと、今ではなかなかお目にかかれないパンクバンドさながらのメンバーの挙動も注目ではあろう。ドームツアーのゲネプロ(=最終リハーサル)風景もかなり貴重だと思う。それを初めて見る我々には“裏側での準備はこんな風になっていたのか!?”といった驚きがあるはずだが、当時、ステージセットや舞台装置を見たメンバーが驚き、喜ぶ様子もしっかりと収められている。セットを見渡したHISASHIの「プロみたいだね、僕らって」というつぶやきは当時は偽りのないものだったのだろうし、ある意味でこの時期のGLAYを象徴する台詞かもしれないと考えると、かなり感慨深いものがある。その他、「シチュードボー」が「サバイバル」に変わっていく様子もとてもいいが(何を言っているのか分からないだろうが見ると必ず分かる)、何よりも随所々々で映るメンバーとTOSHIやD.I.E.、SHIGEらとのやりとりや、スタッフとの会話からはその信頼関係の深さが感じられるのがとてもいい。あの頃、メンバー、スタッフ、関係者が一丸となって国内音楽シーンの頂点に登り詰めて行ったことが分かって、ブックレットと併せて、史料としても一線級なアイテムと言える。その点でも『pure soul Anthology』は必携であろう。(帆苅智之)