長野の奇跡!
2010/11/29 6:58
ほんと、素晴らしかった。
こんなにも、奇跡を信じ、ステージに立つ事は、なかなかないんだが・・・。
2年前になるだろうか?
治る事のない病気と闘い続け、多分、これが最後のGLAYのライブになるだろうと、病院の先生がイベンターに問い合わせ、是非あって欲しい青年がいると言う事で、ライブ後、会う事になった。
車いすに座り、言葉を伝えるのもままならない状態でも、必死に何かを伝えようとする青年がそこにいた。
僕は、そんな必死さに心打たれ、それをきっかけに連絡を取り合うようになった。
そして、昨年の日産スタジアム。
彼と、約束したんだ・・・日産スタジアムで会おうと・・・。
大変なことなのは解ってた。
でも、彼は、その約束に応えてくれた。
外出許可が出ず、そんな中でも、リハビリに集中し、彼は必死に先生に思いを伝え、長野からの遠征を決行。
体力も低下し、1年前よりも心なしか元気がないように思ったが、でも、自分の意志で、日産スタジアムまで来れた事が、彼に希望を与えてくれたようだった。
本当に大変だったと思う。
そして、長野公演の発表。
僕らは、また約束をした。
その、長野公演が最後のライブになるかもしれないと本人が言う。
だから、そのライブに行く事が、生き甲斐になっていた。
長野公演一週間前。
担当医からは、今回は難しいとの返答が。
でも、彼は、諦めていなかった。
先生に、自分が、どんなにGLAYのライブから生きる希望を貰っているのか?
どんなに、自分の身体に良い効果を及ぼしてくれるのか?
現に、1週間前までは、とても酷い状態ではあったらしい。
そして、2日前。
先生からメール届いた、彼の思いに応えたいと。
当日になってみなければ解らないが、許可は出しましたとの答えが返ってきた。
僕は、彼に、「やったな!自分の手で未来を勝ち取ったんだ!」とメールを送った。
それからと言うもの、彼の身体はみるみる元気になり、車いすでの移動もできるようになり。
なんとも、人の心は、身体と直通してるんだなと思った。
そして、当日。
「これから長野に向かいます!」
そのメールを見て、心がざわついた。
メールを打つのも大変なはずなのに。
そして、ライブ前。
彼の表情は、とても明るかった。
日産スタジアムの時にみた表情とは別物だった。
前よりも元気そうだった。
きっと、辛い闘病生活を送って来たはず。
でも、ライブが彼の心の支えになってくれていた。
夢を持つ事、目標を掲げる事で、人は、こんなにも良い表情になる。
そんな彼に、最高のライブで応えたいと思った。
そんなライブだった。
きっと同じような境遇でライブに来てくれている方は、今までに何人もいてくれたと思う。
闘っている人がたくさんいると思う。
彼と出会った事で、ライブが、そんな役割を果たしてくれている事に気付く事が出来た。
そして、奇跡を信じたステージに長野のみんなが応えてくれた。
本当に、幸せな空間を作りたい!
ただただ、それだけを願って歌い続けました。
ライブ終了後、一段と元気になった彼と話をしました。
彼の涙が、今までの辛さを物語っていた。
でも、その辛さを乗り越えて来たからこそ、今があることを僕達は知ってる。
「負けそうになった時、今日のライブを思い出します。」
そして、僕らはまた約束をしました。
EXPOで会おう!
彼は、また、闘病生活に戻ります。
でも、EXPOの夢を持ち、そこに向かい闘い続けるでしょう。
そして、そのライブが最後になるかもしれないと言う言葉は、もう2度と僕に言わないような気がする。
また新たな夢へと立ち向かう事が出来た奇跡。
確かに、奇跡は起きた。
僕は、これからも、ライブ1本1本に全身全霊注ぎ込み、奇跡を起こす事が出来るライブをして行きたいと思う。